TFLファッション×テックBLOG 『Fashion Diversities.VOL.8』-マーケティングとは?-

「マーケティング」ってそんなに難しくない?かもしれない

 

ユーザーエクスペリエンス(UX)

ペルソナ

カスタマージャーニーマップ

カスタマーリレーションシップマネジメント(CRM)

データドリブン

などという言葉を聞いたことがありますか?

 

※このブログの最後に言葉の意味を解説しています。参照ください。

 

「マーケティング」でよく使われる言葉ですね。

「マーケティング=売れる仕組み」は、時代のニーズ技術革新などとともに変化するので常に新しい考え方や方法が注目されます。

 

今回は新しいことや情報に振り回されないように、少し噛み砕いてファッションビジネスの本質理解を進めたいと思います。

 

 

突然ですが、こんな会話、理解できますか??

CRMを強化する戦略を考える上で、設定したペルソナカスタマージャーニーマップを作成しよう。そして、接触ポイントにおけるコミュニケーションのコンテンツをよりOne to Oneに変え、UXを高めることで売上を向上させよう。」

 

汗汗(???)

 

非常に難解な日本的文章ですね。

日常でこのような言葉を使えると「高度で先鋭的な仕事をしている」というモチベーションになるパターンです。

 

 

簡単な日本語に意訳してみると、

「お客様との関係性を深める上で、お客様がどのような流れで購入していただいているか整理しよう。そして、購買実績などのデータをもとに、一人ひとりにあった商品や情報を行動に合わせて提供して、喜んでいただくことで売上をあげましょう。」

ということでしょうか?

 

もっと簡略化すると

「一人ひとりに向けたおもてなしで喜んでいただいて売れる仕組みを作る」

 

あれ?すごく基本的なことだ。と感じませんか??

 

 

さらに間違いを恐れず極端な言い方をします。

 

古き良き「商店街」で行われていたような「One to One」の「おもてなし」を、インターネットを使ってやろうとする試みがビジネスの最先端なのです!

 

→こう書くと安心しますよね。ビジネスを考えるときや理解を深める際には「簡素化」「俯瞰」することは非常に重要なことなのです。

 

かつての商店街と大きく違う点は、感覚や経験に頼らない「大量のお客様データを収集・分析」できること。

 

大量生産、大量消費の時代は、マスマーケティングという手法で情報を大まかに分類し、その中で画一的な商品やサービスを提供するというものでした。そこで発生する無駄やムラは、全体の物量でカバーするという発想です。

ところが現在ではWEBSNSなどのネットワーク技術が発達し、お客様が得られる情報のチャネルも多くなり、ライフスタイルも多様化しています。同時に環境問題などの社会課題も浮き彫りになり、消費のスタイルそのものが変わりつつあります。

これらを踏まえ第4次産業革命の現在、B2Cビジネスにおいては、データとして収集した個人情報検索経緯、購買履歴などを適切に分析して「お客様個人個人の生活スタイルに合わせたサービス、商品、情報提供などを考える」ことがさらに必要になってきているのです。

 

 

商店街の店主は前回買った商品を覚えていてくれてそれに合う新しい商品を勧めてくれたり、

季節の変わり目の気候に合う商品を勧めてくれたり、

今日の夕食の献立を考えてくれて必要な食材を勧めてくれたり、

子供の入学祝い用の商品をディスカウントして勧めてくれたり、

商品を買わない日も日常会話を楽しめたり、、、

・・・・・・デジタル全盛時代に、こんな「スローな買い物体験」もいいですよね!

 

テクノロジーの発達は、実はこんな人間的なコミュニケーションをWEB上で可能にするのです。

スピードや利便性だけではない「お買い物」の楽しさを、誰もが体験できるようにしようとしているのです。

 

 

冒頭の難解な文章のように「マーケティング」と言われる企業活動で行おうとしていることは、われわれが新しい洋服を探したり、偶然見つけたりする体験の中で「心地よい」「気持ちいい」「驚き」と感じるサービスを、WEB上で体験できるように展開しているだけです。

 

これから新しいビジネスやファッション流通に関わる人に必要な条件は、消費者としての視点や嬉しいこと(サービス)を理解できて、ICTや新しいテクノロジーで便利にできることを理解していれば良いのです。

 

つまり、ピュアな視点で「こんなサービスでもてなしたい」から生まれるビジネスを考えて良いのです。

 

 

大量のデータをたくさん収集しAI(=人工知能)を使って様々なことを分析して、近未来を予測しようとする試みが様々な業種でなされています。しかし、過去の購買履歴のデータには「これから未来に現れる、全く新しい商品への驚き」などというデータはありません。そうした感情移入共感などの推測はまだまだ人間の役割です。

 

私たちは誰もが商品やサービスを提供する側であると同時に、消費者でもあります。

その感覚や感性を十分に発揮して、安心して新しいビジネスやサービスを考えましょう。

マーケティングの本質は、実はもっとシンプルな心地よさだったりするのかもしれません。

 

・・・参考情報・・・

気づかずに閲覧しているサイトの情報や、個人情報に紐付く購買履歴や情報取得方法などは企業サイドにビッグデータとして保管されているのはご存知ですか?

あるHPを閲覧したら、その会社の商品広告がずっと表記されるようになることなどを経験したことがあると思いますが、WEB上での行動履歴や購買履歴などはデータとしてサーバに蓄積され、管理されています。

 

こうした履歴を保存する仕組みはcookieと言われ、様々な場面で活用されています。

以前見ていたページをもう一度開いたときに続きから見れたり、ECサイトで商品をカートに入れた後に続けて買い物ができるのもcookieという仕組みで実現されています。

 

このようなデータを活用して、さらに個人個人にあった商品開発や情報提供、便利な購買方法などを提供することで売上を上げていこうとする活動がどの企業でもなされるようになりました。

個人の嗜好や生活スタイル、行動履歴がデータ化されることで、より個人に見合ったサービスや情報提供をすることが可能になったのです。

さらに、様々なIoTデバイスが相互リンクすることで、日々のスケジュールなどと連携してより細やかなサービスが提供される日も近いでしょう。

 

仕事中に友達から明日の合コンのお誘いが来て、カレンダーアプリにスケジュールを入れて「新しい洋服も買いに行かなきゃかなぁ〜。」と思いながら夕方帰宅すると、今旬な「男性ウケも良くて女子にも好感度が高いモテコーデのセットアップ」が届いていて「思わず購入する」なんていう未来がくるかもしれません。

 

怖〜??便利〜??

みなさんはどっちでしょう?(笑)

 

・・言葉の意味・・・

■マーケティング

顧客のニーズを解明し、顧客価値を生み出すための経営哲学、戦略、仕組み、プロセスを指す。

モノ(製品・商品)を中心にした「マス・マーケティング」(マーケティング1.0)から「生活者(顧客)志向のマーケティング」(マーケティング2.0)に進化し、現在はグローバル化とIT化が加速し、「価値主導のマーケティング」(マーケティング3.0)の領域に高度化。単なる収益向上のための手段ではなく、企業や組織が世界を良くするための事業・活動を展開するための戦略が求められる。

 

■ユーザーエクスペリエンス(UX)

人工物(製品、システム、サービスなど)の利用を通じてユーザーが得る経験。「ユーザー経験」「ユーザー体験」

 

■ペルソナ

自分たちのサービスや商品のお客さんの中でもっとも重要な人物のモデルのこと。

 

■カスタマージャーニーマップ

顧客が商品やサービスを知り、最終的に購買するまでの、カスタマーの「行動」、「思考」、「感情」などのプロセス。

 

■カスタマーリレーションシップマネジメント(CRM)

顧客満足度と顧客ロイヤルティの向上を通して、売上の拡大と収益性の向上を目指す経営戦略/手法。顧客情報管理、顧客関係構築、単に顧客管理と訳される。

 

■データドリブン

得られたデータを総合的に分析し、未来予測・意思決定・企画立案などに役立てること。特に、ビッグデータを対象とし、各種データを可視化して課題解決に結びつけることを指す。