FASHION diversities -ファッション革命 vol.1- イベントレポート

今回はファッションクリエイティブディレクターであり、本校理事の軍地彩弓氏をお迎えして、TFLで学ぶ醍醐味とファッションテックで切り開くファッションの未来についてお話をしていただきました。

 

 

TFLでは半期ごとにプレゼンテーション大会を実施しています。軍地さんにも審査員としてご参加いただいた9/25(土)に行われたプレゼンの内容をもとに、プレゼンテーションの意義を語っていただきました。

ビジネスとして自分の事業を良く見せるとき人に話すときにプレゼンテーションが必要ですが、軍地さんにとってプレゼンテーションとは何ですか?

こういうことが社会にとって必要だとか、世の中の問題解決につながるはずといったプレゼンテーションは、私にとってはみんなの動きを確認する場、今回のプレゼン大会で”今はテックを物理からメタバースに移行しているとき”と感じました。
 
実家の残布問題をテーマに掲げた学生のプレゼン内容に特に興味を持ちましたが、サステナブルとデジタルが若い人にとっての課題になっているなと感じました。
実は残布問題は生地産地である日本の問題でもあり、例えば、残布のビジュアルやサイズをデータ化し残布のマッチングアプリを作れば、どうにかしたい人と欲しい人をつなげることができるので、家の解決が世の中の解決につながって大きなビジネスチャンスと思います。

貪欲さとスピードとプレゼン力が起業には必要

学生は知識が少ないため世の中的にどうか、ビジネスチャンスかどうかがわかっていないということも課題。
みんな手が届くところにあるのに情報を取りにいかない。スマホで調べればすぐ出てくるのに20代は知らない周辺知識を積極的に取りに行かない。近くにいる講師に聞きにいけるのは学校の意義、客観的なジャッジをもらうことも出来る。できることができないのが勿体無いです。
20代で成功する人の貪欲さやスピードはやはりすごい。自分の中で貪欲さやスピード感、プレゼン力が揃った時に私は起業すればいいと思います。

ブランドを作りたいけど世の中に溢れているから作る必要ってあるんですか?という学生からの質問が多いのですが、軍地さんはどう感じていますか?

プラスチック素材を洗うだけで地球汚染になるなら作らなくていいという答えになる。だけど、人間が人間として生きるための創造性を手放したときに猿に戻るんですよね。
今後は、デザイン性のあるものと、ユニクロのような機能性のあるデザインと二極化していくのが予想されるので、自分が機械的な属性にいるのか、クリエイティブに属するのか見極めた上、センスは必要。ものは作るべきと感じます。
最近読んでいるビルゲイツの環境をテーマにした本の中で、今までの私たちが考えている環境保護では立ち行かず、全部、作り方も変えてゼロスタートすることが大事だと書いてあって。サプライチェーンが90%立ち行かない時代に、私たちは作り方を変えていかなければいけない。ゼロから仕組みを変えて行かなければいけないと感じています。

バーチャルファッションで物理的なファッションは無くなるのでしょうか?

先日、アンリアレイジ森永邦彦氏の2022年春夏コレクションでのFNT作品が5000万で11点売れたんですが、デザイナーは自分の作りたいファッションを作るためにデジタルでお金を得ている。100%デジタルにしたいとも言っていないんですよね。

今はTGCでバーチャルファッションショーも行われているんですが、技術者がいないことも課題で、Facebookが1000人クリエイター集めると言ってますが、日本でもメタバースのアバターを作るチームを作ってデジタルでファッションを再現できるスキルを上げるべきと思っています。

リアルなショーをバーチャルで完璧に再現することって可能だと思いますか?

リアルなショーをバーチャルで再現できるのかという議論もあるのですが、半々、リアルとバーチャルの共存が続くはずと考えています。ファッションをリアルで見る感動、そこにいる人のファッションを見たり、会話やコミュニケーションも大切なので。

ヨーロッパ的な工業的なファッションのハイファッション(リアル)は流行り続け、アメリカ中心のCMマーケット(バーチャル)と二極化していく中で、フィジカルは量的に減るので、ECで売っているもので溢れた世界でどこにもないものを売れる人、オリジナリティが大事だなって思います。

今はデザインドリブンな時代

インキュベーション的な才能発掘事業が最近は増えてきているんですよね。デザインドリブンな時代にバーチャルが切り口、サポートになると思います。バーチャルでしかできないこと、アナログでしかできないことの二極化が進んでいく。物理じゃないから表現できること創造性をぶっ飛ばす力はバーチャルでしかできないことですね。
 

できるだけ早くやること。1分1秒で新しいサービスが生まれている

デジタルファッション、NFTなど今年はファッションテック起業が多いです。世界中で同じことを考えているのでよっぽどの技術かアイデアがないと勝てない。できるだけ早くサービスをローンチしていくことも大事。

学校にいることでみんな満足してしまっていますよね。みんなスローモーション、プレゼン作って満足してしまっている。やっぱりプロダクト化してゴールだと思います。やりたいことがあったらすぐやる。失敗したから次こういうことやってみよう、そう普段からできる環境。TFLは頼りになる学校、いつでも相談ができる。DM送って答えてくれない人がTFLには身近にいっぱいいる。ダメ出しも価値ですからね。

 

みんな何者かになりたいと思っている人が多い

みんな何者かになりたいと思っている人が多いけど、それ以前に、自分は何のために生まれどう生きるかを手前に考えて欲しい。そういうことをゴールにして社会的に自分がどうありたいか、起業なのかサービスかチャリティか。自分が満足できることを達成するために、通常のファッション業界に違和感を持っている人がTFLに来ているので。

日本の過去のものを教えるところに居てはけない、大学も含めて

日本のファッション専門学校の先生の質が難しいですね。海外で戦っていくには、今の日本の過去のものを教えるところに居ちゃいけない、大学も含めて。本を出してそれをずーっと教えて。生き方やものの作り方が生まれ変わってしまった世の中で、2020年代に基礎は大事だけど学び方が変わったので、ビジネス、価値観、教科書、人としての情操も同時に学ぶリベラルアースの時代。表面上だけでなく中身も育てることが大事だと思います。

セントマの教育の質が違うんですが、日本にそういう学校がない。今は売り方も実店舗のあり方も変わっていて過去のものが潰れているいる時代に、過去のものを教えてはいけない。新しい時代の新しい常識、知識しか私たちにはない。日本はこれから衰退していくので武器を持たないと素手で戦えないんですよね。

仲間を見つけること。リアルで会えることの貴重さ

30、40代になっても学べると思っています。TFLでこれからの人生でこういうことを学ぶべきというのは、仲間を探すことですね。新しいことを始めている人は本当に仲間を探すのがうまい。チームラボやお笑い、みんな上手く仲間を見つけている。一人でやらなきゃいけないことはない。そのためにTFLに来る。仲間はフィジカルしかできないので。

みんなリアルで会えることの貴重さをこの2年で学んだと思う。手を伸ばせば相談できる、手を伸ばせば仲間がいる貴重さを圧倒的に使って欲しい。そして圧倒的な知恵をつけること。

最後に軍地さんが伝えたいこと

ぜひ心を育てて欲しい。美しいものを見ること。東京ほど美しいものが集まっている場所はないですよね。美しいもので心を満たさないと痩せます。目の中に入れて情操化してデジタルにアウトプットしていく、入れる作業をしていくこと。

痩せている人は機械的な仕事しかできないので。自分を美しさで満たす。空や山に行く。本屋に行けば美しいもの絵や写真が溢れている。ジャンルの中で何が必要か棚から調べるのも大事。建築のコーナーに行ったら、コルビジェが置いてあった、バウハウスがあった、クリムトも置いてあるけどどういう関係?横のつながりはなんだろうって調べていく。

世の中を動かしている人たちの中ではアートが共通言語になっています。自分の中に引き出しがあることは大事。映画でも絵でも美術館でも美術書でもとにかく吸収していれいないとアウトプットができない人間になってしまう。

そして哲学を学ぶこと。こんなにも哲学が必要な時代はない。みんな人間が人間であるためになんて思ってもいなかった。思わなかったけど、デジタルや機械、バーチャル、メタバースの時代になって人間の価値がずーっと問われていくんです。

マイケル・サンデルの「正義」について考えていかないと、SNSについてどう評価したらいいかわからない。
正しさを選ぶ時代。哲学を学んでおくととても武器になる。心を満たす中に哲学があると思います。
カニエウェストのバレンシアガのクチュールコレクションの意味をわかりたいし、メットガラでの真っ黒の衣装がアメリカがテーマの意味もわからないと悔しいじゃないですか。関連性を知ったほうが彼らの発想に近くなる。世界と戦うってこういうことだと思います。哲学といっても色んな哲学があるのでタイトルを読んでみるだけでもやってみるといいですね。

イベント開催日:2021年10月22日(金)18:30-

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2017年4月 原宿に開講。国内外のTOPクリエイターが理事・講師に集結したもっとも最先端なファッションスクール

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